日本ライフマイスター協会 5ライフマイスターブログ

日本ライフマイスター協会の5ライフマイスターが「介護」「がん」「子育て」「年金」「健康」に関する情報発信をする公式ブログです。

「5ライフマイスター制度」とは、国民の重大課題である「介護」、「がん」、「子育て」、「年金」、「健康」の5つに焦点を絞り、個々人それぞれで違う悩みや疑問に寄り添い、ともに解決の糸口を探ることのできる認定資格制度です。

成年後見制度を知っていますか?①

こんにちは。一般社団法人日本ライフマイスター協会の藪内です。

成年後見制度は、認知症、精神障害、知的障害などに理由で判断能力が不十分な人が、財産管理や日常生活での契約などを行うときに、判断が難しく不利益を被ったり、悪質商法の被害者となったりすることを防ぎ、権利と財産を守り、支援をする制度です。
  
例えば
・離れて暮らしている母親に認知症の傾向が出てきたため、悪質商法などの被害が心配
・一人暮らしなので、将来、認知症など病気になったときのことが不安
・最近お金の管理に自信がなくなってきたため、財産の管理や契約を安心して任せられる人がほしい
などの不安を安心に変えることができます。  

成年後見制度とは

認知症や精神障害、知的障害などにより判断能力が十分ではない人の預貯金の管理など(財産管理)や日常生活での様々な契約など(身上監護)を、支援していく制度です。
支援を受けられるのは、次のような法律行為です。

1.財産管理
本人の預貯金の管理、不動産などの処分、遺産分割など財産に関する契約などについての助言や支援

2.身上監護
介護・福祉サービスの利用や医療・福祉施設への入退所の手続きや費用の支払いなど、日常生活にかかわってくる契約などの支援

支援の具体的な内容は

支援する人が利用者本人に代わって契約などを行ったり(代理権)、本人のみで行った不利益な契約などの行為を取消したり(同意権・取消権)、本人を保護し、援助を行うなどです。

1.代理権
本人に代わって契約などの法律行為ができる制度です。本人の生活に必要な契約などを行い、援助します。
例えば、家事や健康管理を自分自身で行うのが難しい場合は、介護、福祉サービスなど本人の生活や健康管理に必要なサービスの契約や費用の支払いを行い、さらにサービスが適切に実行されているかを確認します。
また、預貯金などの財産管理などを行います。

2.同意権・取消権
本人が契約などの法律行為を行うにあたり、支援する人の同意が必要となります。
また、支援する人の同意がないまま、本人が契約などの法律行為を行った場合には、支援する人がその行為を取消すことができます。

状態によって受けられる支援の違い

成年後見制度には、「法定後見制度」と「任意後見制度」という2つの制度があります。
さらに、法定後見制度は、利用する人の判断能力の程度に応じて3つの制度に分けられています。

後見


成年後見制度を利用したいとき

本人の住所地にある家庭裁判所に後見等の開始の審判を申し立てます。

≪申立てのできる人≫
本人、配偶者、4親等内の親族、市区町村長(身寄りのない高齢者の場合など)など

≪申立てには≫
戸籍謄本や医師の診断書など、申立てに必要な資料を提出します。
※必要書類は、申立てをする家庭裁判所にご確認ください。

≪申立ての流れ≫
1.申立人が、法定後見制度をなぜ利用したいのか、申立ての理由(本人の生活状況や精神状態など)について申立書に記載して提出します。
2.それを受けて、審理が開始されます。「後見」「保佐」の審判を開始する際には、原則として本人の精神状況等を医師等に鑑定してもらうことが必要です。
3.家庭裁判所の調査官が本人や申立人、家族、医師等から本人の精神的な障害の程度や生活状況を確認して、その事情に応じて、成年後見人等に最も適切と思われる人を選任します。

次回は任意後見制度について、制度利用時の費用や相談場所について、お知らせします。


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平成30年8月より高額療養費制度が変わりました

こんにちは。一般社団法人日本ライフマイスター協会の藪内です。

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額(※)が、ひと月(月の初めから終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。
※入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。

平成30年8月1日より、現役並み所得区分は細分化した上で限度額が引き上げられ、一般区分は外来上限額が引き上げられました。

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①多数回該当
過去12か月以内に3回以上、上限額に達した場合は、4回目から「多数回」該当となり、上限額が下がります。


②世帯合算
おひとり1回分の窓口負担では上限額を超えない場合でも、複数の受診や、同じ世帯にいる他の方の受診について、窓口でそれぞれお支払いされた自己負担額を1か月単位で合算することができます。
その合算額が一定額を超えたときは、超えた分が高額療養費として支給されます。
※ ただし、69歳以下の方の受診については、2万1千円以上の自己負担のみ合算されます。

では、「世帯合算」では、家族のどの範囲まで自己負担額を合算できるのでしょうか。
自己負担額の合算は、同一の医療保険に加入する家族を単位として行われます。
例えば、会社で働く方やその家族などが加入する健康保険であれば、被保険者とその被扶養者の自己負担額は、お互いの住所が異なっていても合算できます。
一方で、共働きの夫婦など、別々の健康保険に加入していれば、住所が同じでも合算の対象となりません。
健康保険の被保険者と後期高齢者医療制度の被保険者が同居されている場合も、それぞれの医療費は合算の対象となりません。
 
  
高額療養費の支給申請は、ご自身が加入している公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽの都道府県支部・市町村国保・後期高齢者医療制度・共済組合など)に、高額療養費の支給申請書を提出または郵送することで支給が受けられます。
病院などの領収書の添付を求められる場合もあります。
ご加入の医療保険によっては、「支給対象となります」と支給申請を勧めたり、さらには自動的に高額療養費を口座に振り込んでくれたりするところもあります。

高額療養費の支給を受ける権利の消滅時効は、診療を受けた月の翌月の初日から2年です。
したがって、この2年間の消滅時効にかかってしまった高額療養費は、過去にさかのぼって支給申請することができなくなりますので、注意が必要です。

誤解を生みやすい老人保健施設での医療ケア

こんにちは。一般社団法人日本ライフマイスター協会の藪内です。

老人保健施設での入所の際に、
「『認知症の薬は飲ませることができなくなります。』『かかりつけ医には通院できなくなります。』『健康保険は利用できません。』『自費で病院に行かれても困ります。』というような説明を受けたが、全く意味がわからない。どうすればいいのかもわからない。」
そんな相談を受けることがあります。

介護保険を利用する施設であっても、特別養護老人ホームや老人保健施設、療養病床、有料老人ホーム、軽費老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、施設にはそれぞれに特徴があり、メリットやデメリットが存在します。

例えば、老人保健施設と特別養護老人ホームの医療ケアを比較してみます。

老人保健施設:常勤の医師がいる
→入所中の基本的な医療は老健で担うことになっている(入所中の医療費も介護報酬に含まれている)
→外部の医療機関に受診した場合、定められた医療行為(例えば緊急度の高い手術など)以外は医療保険で請求できず、施設側の負担となる

特別養護老人ホーム:医師の配置義務はあるが非常勤でよい(嘱託医として入所者の健康管理を行う)
→日常療養上の医療は施設の医師が行う
→嘱託医の専門外科目への通院や入院加療が必要な場合の医療費は健康保険を利用できる

このように、同じ介護保険を利用する施設であっても、医療に関するスタンスは大きく異なります。施設を選ぶ際に、必要な医療ケアについて検討する必要があります。

「認知症の薬は飲ませることができなくなります。」
→薬についても、老健側の介護報酬で賄うことになります。このため施設は、薬の費用が高くつくと不利益を被ります。抗認知症薬等の中にはきわめて高額な内服薬がありますが、それらの薬を使いたくても使えないという事態が発生しても不思議ではありません。
高額の内服薬を継続的に服用する必要がある場合は、このようなデメリットがない他の施設を検討したほうが建設的でしょう。

「かかりつけ医には通院できなくなります。」
→入所中の基本的な医療は老健で担うことになっており、入所中の医療費も介護報酬に含まれています。入所者は入所前と同様に自由に通院することはできなくなることを理解したうえで手続きしなければなりません。

「健康保険は利用できません。」「自費で病院に行かれても困ります。」
→入所中の基本的な医療は老健で担うことになっています。たとえ、老健の医師が診ることができない場合に外部の医療機関を受診した場合でも、医療費は老健持ちになります。定められた専門的な医療行為(他科受診)に限っては、健康保険を利用することが認められていますが、それ以外は、老健入所者である証明を外部の医療機関に提出して、受診し、老健が費用を負担することになっています。
外出中に無断で受診したり、健康保険を使わずに自費で受診したりすることも慎まなければなりません。

老健での医療ケアについて、理解が得られにくい制度であることは確かですが、施設側が説明不足であることも否めません。お互いが制度や医療ケアについて話し合い、相互が納得したうえで、入所手続きを進めることが、トラブルを回避できることにつながると言えます。

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プロフィール
◇藪内 祐子◇
日本ライフマイスター協会 大阪支部資格推進担当/5ライフマイスター
中核市にて年金行政に4年、健康保険組合に4年、介護保険行政に10年携わった経験を活かし、ライフマイスターとして相談支援に務める。三児の母としても日々奮闘中。
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